似てるのに嫌い? 同族嫌悪(同属嫌悪)との上手な付き合いかた

類は友を呼ぶ、という言葉があります。似た者同士だからこそ、同じ趣味で同じように楽しめるということは確かにありますよね。

一方、人の心は素直にはいかないもので、似た者同士だからこそ仲が悪いという場合もあります。

日々の人間関係の中で、「どこか嫌悪感を感じるのだけど、よく考えてみれば自分だってあいつと同じじゃないのか…」なんて混乱した経験がある人も少なくはないでしょう。

自分と同類の他人を否定すること。これを『同族嫌悪』といいます。

今回は同族嫌悪について、そのメカニズムと上手な付き合いかたを紹介します。

同族嫌悪(同属嫌悪)とは

同族嫌悪(同属嫌悪)とは、自分とどこか似ている他人のことを、嫌悪する心理のことです。

同族・同属と漢字の違いはざっくり言うと以下の通りです。(大枠としては同じ意味として使われます)

  • 同族は『同じ種族』への嫌悪感
  • 同属は『同じ属性』への嫌悪感

同族嫌悪(同属嫌悪)のメカニズム

同族嫌悪はなぜ起きるのでしょうか?

答えはシンプルです。【自分の嫌なところを他者の中に見つけてしまうから】です

ただでさえ嫌いで自分自身目を背けているものが、目の前にぽんと無神経に現れてしまったら、たとえ相手に悪気がなくとも苛々してしまうのは自然な話です。

見たくないと思っているものを見せられて、気持ちの良い人はなかなかいないでしょう。

たとえば、自分の弱さが嫌いな人は、弱々しく振る舞う他人を見ると苛々します。自分の薄っぺらさが嫌いな人は、同じように薄っぺらな笑いをする人を嫌うはずです。

(※正確には「自分は自分、他人は他人」と割り切れている人は上述の限りではありませんが、自分と他人の境界を正確に見定めるのは、心理的に高度なスキルです。そう上手くは割り切れない人が多いですよね)

同族嫌悪は自分を受け容れていない証

同族嫌悪は【自分の嫌なところを他人の中に見つけてしまう】から起きるものです。つまるところ、『自分の嫌なところがない人』『自分に嫌なところがあるのを許している人』なら、同族嫌悪は起こりえません。

今の自分に満足していて、多少気に入らないところがあったとしても、大枠として自分自身のことを受け容れている人は、あまり同族嫌悪をしないものです。

同族嫌悪をするのは、自分自身のことを受け容れていない人だけなのです。

自分の嫌いな一側面が他人の姿をまとって目の前に現れたとき、ひと息ついて嫌な気持ちを飲み込める程度には自分のことを受け容れられているといいものですよね。

提案:同族嫌悪との上手な付き合いかた

しかしながら、現実問題なかなかそううまく自分のこと、ひいては自分と似た匂いのする他者を受け容れることはできません。嫌いなものは嫌いだと、条件反射で相手のことを拒絶してしまいますよね。

ここでわたしが提案するのは、「あえて上手に付き合おうとしない」という付き合いかたです。

嫌悪をはじめとする悪感情は、あまり望ましいものではないとされます。表に出してはいけないと、無理に押さえ込もうとしてしまう人もいることでしょう。

ですが、その抑圧の行動自体が、余計にストレスを抱え込む原因になってしまいます。

大切なのは「嫌っていてもいいのだ」と開き直ること。ひいては「嫌っていること」と「嫌な自分の一側面を改善すること」を切り離すことです。自己嫌悪してもいいのです、改善なんて放っておけばいいのです

自分の悪いところを無視も否定もしない、そういうスタンスこそが大切なのだというのがわたしの提案です。そうすれば同族嫌悪を、ただの取るに足らない小さなこととしてあまり気にせず毎日を過ごすことができるようになります。

傷との付き合いかたでも同じことが言えますが、自分の身から生まれた悪感情は、無視したり拒絶したりするのではなく、受け容れることが大切です。受け容れるとは、無視も否定もしないことなのだ——というのがわたしの解釈であり提案です。

まとめ

同族嫌悪は「自分の嫌なところを他人の中に見つけてしまうことで起きる嫌悪の感情」です。

ことの発端が「自分」にあるタイプの嫌悪感情ですから、「自分」さえ受け容れることができているのなら、本当は生じ得ない感情なのです。

そんな同族嫌悪との付き合いかたですが、わたしが提案するのは「あえて上手に付き合おうとせず、自分の不出来さにも無視も否定もしない」というスタンスです。

無視も否定もしない、というスタンスは「受け容れる」という姿勢そのものです。「ああ、自分はこんな風に他人の中に自分の嫌なところを見つけるのだな」とただ発見するだけに留めることが、日々を気持ちよく過ごすコツではないでしょうか。

もちろん、この付き合いかたはわたし個人のいち提案です。わたしならこうする、という意見のある方はぜひお教えください。

同族嫌悪というありふれた日常の悪感情とうまく付き合うことができたら、日々をもう少しスマートに過ごせるかもしれません。みなさんがそのように過ごすお手伝いになれたら、と思う今日この頃です。