リモートワークにありがち? 疑心暗鬼になってしまう人の心理と対策を解説

昨今の働き方改革で、リモートワークを導入する会社も少しずつ増えてきました。通勤時のストレスや余分な時間の削減、場所にとらわれない働き方が出来るなど、様々なメリットがあるリモートワークですが、一方で【顔を合わせないことで、メンバー同士が疑心暗鬼になりがち】という問題もあります。

今回は、疑心暗鬼になってしまう人の心理と、その対策を解説します。

どうして疑心暗鬼になるの? 人の「疑う」性質を解説

人は、警戒心から他人を疑います。自分にとっての脅威や不利益を被らないか、という警戒心から人を疑うのです。ある意味では『疑う』ことは生き抜くための機能のひとつであり、動物に備わる本能的な危機回避能力といえるでしょう。

特に、自我が他の生物より複雑に発達した、たしたちヒトという生物は、自己の認知を守るために日常生活の中のさまざまなサインを『危機』や『脅威』として捉えます。

この『危機』『脅威』とは身体が物理的に傷つけられるような事柄ではなく、社会的な立ち位置を脅かす危機であったり、自分が自分に対して抱いているプライドや肯定感、アイデンティティを脅かす脅威であったり、様々な場合があります。

人はその身体の大きさよりはるかに広範な自我というものを守るべく、常に警戒をはって、なにか危険そうなサインを見つけると疑うようにできているのです。

相手の顔が見えない環境は「人の疑う心」を刺激しがち

相手の顔が見えない環境は、どうしても人間の不安をかきたてがちです。前述のとおり、人には自我を守るための心理的な機能が備わっているので、なにか自分にとって不利益になる可能性が潜在していれば、それを疑うのが常です。

しかし顔が見えない環境では、特にその傾向が強まります。顔が見えない以上、人は、あらゆる状態を想像します。そして、想像した様々なパターンのうち、考えられるもっとも悪いパターンを想定してそれを疑うのです。

顔が見えていればそんなことは起き得ないと分かるはずだったことも、顔が見えないと想像が広がってしまうことはよくあることです。

これはリモートワークだけでなく、車の運転などでも同様です。顔の見えない環境では人は性悪説的な考え方にシフトしがちです。親切心より猜疑心が勝り、同時に思考や発言も過激なものになりがちです。

大切なのは疑わなくて済む環境づくり

心がけひとつで簡単に変わるほど、人の『疑いがち』な性質は変わりません。とくに、個人ではなく集団の心理はなおさらです。

顔の見えないリモートワーク等の環境では、あらかじめ対策をうたないと『あいつは本当はサボっているのではないか』『相手は自分のことを軽んじているのではないか』とどうしても様々な疑念が湧いてしまうものです。

ですから大切なのは、疑わなくて済む環境づくりです。

顔が見えないことが問題なら、常に顔の見える環境での映像付きのリモートワークを推進したり、あるいは互いの信頼関係を構築するために週に一度のチームミーティングを取りいれたりすることが肝要です。

軽く雑談を楽しむことができる程度の、心地よい人間関係を構築するための自己開示の時間を毎日の仕事の中に設けるのもよいでしょう。(自己開示は信頼づくりの基本です)

そのほか、リモートワークではありがちな評価制度への不安や疑惑を軽減するためにも、社内の評価基準を明確にし、しっかりと公開することも大切です。なにか困っていることや苦しいと感じていることを吐き出す場を設けるなどの取り組みも、各メンバーの心理的な安心感に繋がるはずです。

『不安の軽減』と『信頼関係の構築』、そのふたつを軸とした環境づくりで『疑わなくてすむ、心理的に安全な空間』をつくっていきましょう。

まとめ

人は疑う生き物です。疑心暗鬼になりがちな集団心理をどうにかするには、心がけでは太刀打ちできません。

大切なのは、疑わなくて済む環境づくりです。明確な評価制度の開示、信頼関係を構築する場づくりなど、仕組みレベルのアプローチで集団心理に働きかけましょう。

顔が見えない状態は悪い想像をかきたてやすいものです。それを踏まえた上で、互いの不安や警戒を解くための機会づくりが、気持ちのよいリモートワークの秘訣かもしれませんね。